葛布とは

■葛について 
■大井川葛布とは
■葛布の歴史 
■葛布ができるまで
■染織α誌掲載原稿
◆製葛録 大蔵永常 村井良子読み下し 2007/9up

葛の花
葛について
 葛は日本全土に自生する蔓性、豆科の植物で林の境、河川の土手や線路脇などに多く見られます。
 春先に新芽を伸ばし、夏の間すさまじい勢いで繁茂します。日本テレビの「所さんの目が点」での実験では一日28cm伸びましたし、最盛期では50cmちかくも伸びるそうです。
根は極めて強く、深く伸びるので土手の土留めに使用されました。
ここから澱粉をとりだしたのが葛粉。葛餅や葛のあんかけなど和菓子や割烹料理の材料に成ります。また根を乾燥すると漢方薬の葛根湯。風邪のときの解熱剤ですね。

 初秋に藤に似た赤紫の花をつけます。この花は秋の七草の一つとして有名です。
藤と違って上に伸びるので「上り藤」とも言われています。花の甘い香りはむせ返るほどです。
 葉は澱粉質を多く含み、家畜の餌として最適です。地方によっては葛を「豚蔓」とか
「馬のぼた餅」とか呼んでいますが、馬や豚が喜んで食べたのでしょう。
蔓は編んで篭、ロープ代わりに使われました。衣装を入れるつづらは「葛籠」と書きますし、かずら橋のかずらは「葛」と充てます。
 秋の七草、蔓性植物と書きましたが、実は葛はれっきとした「木」。
多年生で年々幹が太くなるので植物学的には「木」なんだそうです。
他の木と違う点は、他の植物に巻き付くことで、自分を支える木質部を形成しなくて済むこと。その分の栄養を生長に向けることであのように 驚異的な繁茂をするのです。
 頭がよいのか、ずる賢いのか・・・・
 繁殖は二つの方法で行います。一つは地面に這った蔓の節から根を張って行います。
だから、葛を刈り取っても放置するとすぐに根が張るのです。
もう一つは 花の後に出きる種。豆科の植物なので 鞘ができその中に種があります。
従来、種の発芽率が悪いので、種ではあまり繁殖しないとされていましたが、さにあらず。鞘の中には二種類の種があって、一つはすぐ発芽。もう一つは すぐに発芽せず、数年から十数年経て、何かのショックで発芽するそうです。すごいと思いません?

 この葛の蔓から繊維を取り出し、撚りをかけずに緯糸にし、経糸に綿、絹、麻などを用い、織りあげたのが葛布です。


大井川葛布織り機

大井川葛布は静岡県の真ん中を流れる大井川のほとり、金谷町で作っています。(2005年合併で島田市になりました。)葛布では掛川が有名ですが、金谷は隣町ということもあり、早くから葛布を作っていました。
 昭和20年代からはじめたのですが、最初は
「静岡葛布(カップ)」という会社でした。葛布業界では老舗に属します。先代から葛布襖紙や葛布壁紙を50年余制作して来ました。
 葛布に新たな可能性を見いだすために1998年から「大井川葛布」と名付け、葛布の創作活動を始めています。

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