日本の機台腰機(イザリ機)の技術再興プロジェクト

機台腰機とは

腰機は環太平洋に分布する織り機です。
経糸を自分の腰に固定して織ってゆくという、人体を機の一部として使う機です。そのため、手織りの息吹が感じられるとか、織り手の感触が伝わるとか言われますが、織物組織にも腰機特有のウェービングが現れます。そのため、高機には無い、布の風合いが現れます。しかし、人体を織り機の一部として使う故、安定した布を織ることは熟練が要ります。布耳を揃えることもむづかしいです。
多くの地域では原始機と云われる、フレームがない織り機が使われています。
だが、日本、中国、朝鮮半島では腰機にフレームを付け、経糸の安定を図り、開口操作を天秤装置を使うことで足に操作を分配し、より能率的に織物を作る工夫をしました。しかし、ここまで機を発展させたのにも関わらず、高機にない風合いを求めるため、あえて腰機の形式はやめませんでした。
 

天秤腰機の名称

 天秤腰機と呼んでいるのは、前田亮著の手織り機の研究 日本編に依るのだが、天秤は開口装置(綜絖)を司る装置である。果たしてこの腰機の特徴を言い表しているのであろうか?  どうも「機台付腰機」 の方がこの織り機の特徴をあらわしているような気がする。

米織会館 苧麻機

機台腰機

ここでは機台腰機とよんでいるが、昔はイザリ機と呼ばれたものである。「いざり」というのが差別用語であるとして、最近では「地機」じばたといっている。
私としては「地機」はGrand room  遊牧民が地面に杭を立て、経糸を張って織る
織機と混同するのであまり使いたくないと思っている。本当に「イザリ機」が差別用語なのか? 結城つむぎの産地では昔は「イザリ機」と呼んでいたというし、シナ布の里山北でも「イザリ機」といっていた。単に「ハタ」と呼んでいたこともあるようだ。 フレーム(機台)がある腰機としてフレームのない腰機と区別するために機台腰機と呼ぼうと思う
 

腰機と高機の違い

 高機は千巻(経糸を巻いてある筒もしくは板)から出る経糸を、綜絖装置、筬、緯糸を通す杼を使って織った布を手前の布巻き具に固定する。
この固定は織り機のフレームに付けられる。そのため経糸のテンションは一定となる。(開口によって テンションは少し変わる)
 腰機は織り上げた布を腰に巻き付けることにより、経糸のテンション(張力)を変えることができる。開口するときはテンションを緩め、緯糸を打ち込むときはテンションを強くする。 このことによって、緯糸に対して経糸が波打つ。経糸と緯糸が同じようなテンションで布を構成する。同じ太さの糸ならば、横方向にも縦方向にも同じ張りがある布が織り上がる。

米織会館 苧麻機2

日本の機台腰機